概略
神号:三峯権現 Name:Mitsumine-gongen 別称:三峯明神 A.k.a:Mitsumine Myōjin 霊場:三峯山(武蔵国) Holy Place:Mt. Mitsumine(Muisashi) 別当:三峯山 観音院 高雲寺 Admin of a Buddhist Temple:Koun-ji 祭神:伊弉諾尊・伊弉册尊 Provisional Shinto Deity:Izanagi, Izanami 本地:十一面観音 Original Buddhist Divinity:Jūichimen-kannon 眷属:狼(大口真神) Messenger of the kami:Japanese wolf(Oguchi-makami)
もともと修験の行場であった三峰山は,中世末期になって天台系の本山派整護院に属し,観音院高雲寺という修験の寺として「三峰山大権現」の称号を与えられた。江戸時代に入って一時期衰退するが,享保5年(1720)の日光法印の入山を契機として信仰圏を広げ,幕末には関東甲信越の各地 に三峰諦が結成されるようになった。三峰山の信仰としては,山神の脊属(使い)の大口真神としてオオカミを信仰する御脊属信仰があり,御脊属信仰は秩父地域の諸山に共通している。ただし,三峰山の場合,火防・盗賊除け・猪鹿除けといった特定の願目を通じて急速に倍仰が広まったという特徴がある。明治期の神仏分離にともなって,三峰山は神道の三峰神社に統合され,現在に至っている。
引用:三木一彦. “秩父地域における三峰信仰の受容と展開” 1994. CORE. https://core.ac.uk/download/pdf/56644769.pdf
参考外部リンク
『三峯神社』 ↳ 本地垂迹資料便覧 様 『三峯神社の御正体』 ↳ 秩父市 様 『秩父地域における三峰信仰の受容と展開』(PDF) ↳ CORE 様 『江戸における三峰信仰の展開とその社会的背景』(PDF) ↳ J-STAGE 様 『甲州周辺における狼信仰』(PDF) ↳ 山梨県立博物館 様 『東京本田講に関する一考察』(PDF) ↳ 武蔵大学 様 『埼玉県秩父市贄川猪狩神社の狼信仰に関する一考察』(PDF) ↳ 東京成徳大学 様 『笛吹市御坂町に伝わるニホンオオカミ頭骨をめぐって』(PDF) ↳ 山梨県立博物館 様
火防・盗賊除けの神として江戸に浸透した三峰信仰は, 檀廻や三峰講の結成によって人々の間に定着していった。江戸は, その住民が三峰の札をうけるばかりでなく, 周辺や遠方の地に三峰信仰を伝えていく中継地の役割をも果たしていた。江戸の三峰講がもっていた特徴のひとつが, 問屋仲間などによる同業者講の結成である。このうち竪川講の主力を占めた材木問屋は, 材木流通で秩父とも取引関係をもち, 江戸地廻りからの出店者が比較的多いという特徴があった。19世紀に入ると, 従来の流通経路のほころびが目立つようになる中で, 竪川講は, 参詣・奉納などの機会を通じて, 問屋の結束を保つための一手段としての役割を果たしていたと考えられる。
引用:三木一彦. “江戸における三峰信仰の展開とその社会的背景” 2001. J-STAGE. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjhg1948/53/1/53_1_1/_pdf
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関連寺社外部リンク
関東地方
神田山 正覚院 妙音寺 境内石祠(茨城県坂東市)
三峯神社(埼玉県秩父市)
↳ 三峯山 観音院 高雲寺 跡
天照山 勝願寺(埼玉県鴻巣市)
↳ 旧・高雲寺仁王像
白岡八幡宮 境内社(埼玉県白岡市)
長良神社 境内石祠(埼玉県羽生市)
茂田井熊野神社 境内石祠(埼玉県三郷市)
紅龍山 布施弁天 東海寺 大師堂 境内石祠(千葉県柏市)
愛宕神社 境内社 境内石祠(千葉県野田市)
八坂香取稲荷合社 境内石祠(埼玉県春日部市)
大澤山 龍雲寺(東京都世田谷区)
↳ 三峯榛名講
蟠龍山 宗徳寺(東京都八王子市)
伊勢社 境内石祠(神奈川県横浜市青葉区)