概略
神号:牛頭天王
Name:Gozu-tennō
別称:祇園明神、祇園天神、武塔天神、薬宝賢明王
A.k.a:Gion-myōjin, Gion-tenjin, Mutō-tenjin, Yahkuhō-kenmeiō
梵名:ギャヴァグリーヴァ
Sanskrit Name:Gavagriva
霊場:広峯社(播磨国)、祇園社(山城国)、津嶋牛頭天王宮(尾張国) など
Holy Place:Hiromine-sha(Harima), Gion-sha(Yamashiro), Tsushima-gozu-tennō-gū(Owari)and more
別当:天王山 増福寺(広峯社)、祇園感神院(祇園社)、牛頭山 宝寿院(津嶋牛頭天王宮)
Admin of a Buddhist Temple:Zōfuku-ji(Hiromine), Gion-kanshin-in(Gion), and Hōju-in(Tsushima)
祭神:素戔嗚尊
Provisional Shinto Deity:Susano’o
本地:薬師如来
Original Buddhist Divinity:Yakushi-nyorai
牛頭天王の名称は『華厳経』始め、幾つかの経典類に見られる「牛頭栴檀」からの由来であろう。また、室町期成立と思われる『祇園社略記』では、祇園社祭神について仏家は牛頭天王、神家は素盞烏尊、暦家は天道神と称していたことが分かる。そのため、牛頭天王は仏菩薩に近い存在として、慶應四年(後に明治元年に改元・一八六八)三月の神祇官事務局通達、いわゆる「神仏分離令」にて、「中古以来」、「仏語ヲ以神号ニ相称候」ことを理由に名指しで排斥の対象とされたのである。(中略)牛頭天王信仰の解明は、「神仏習合」研究において重要である。しかし一方で、従来の「神仏習合」という枠組みを脱却しなければ、その解明は難しい。例えば信仰、祭儀の「場」をいかに捉えるかという課題がある。信仰を伝える各主体(宗教実践者)による祭儀の「場」の違い、さらには時間軸や地域性など物理的な違いを無視し、牛頭天王という「カミ」を一つの像に規定することには無理が生じる。牛頭天王は、それぞれの「場」において、それぞれ固有の姿を現していたのではないか。
引用:鈴木耕太郎. “「牛頭天王縁起」に関する基礎的研究”. 立命館大学. http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/630/630PDF/suzuki.pdf
参考外部リンク
『牛頭天王』 ↳ 奈良県 様 『祇園信仰図像集』 ↳ 祇園信仰研究会 様 『木造牛頭天王倚像』 ↳ 津島市 様 『絹本著色牛頭天王曼荼羅図』 ↳ 大阪市 様 『牛頭天王祭文』 ↳ 蘇民将来符 - その信仰と伝承 様 『牛頭天王縁起に関する基礎的研究』(PDF) ↳ 立命館大学 様 『祗園社の創祀と牛頭天王』(PDF) ↳ 佛教大学 様 『明治政府の神仏分離と祇園祭』(PDF) ↳ 国際交流基金 様 『牛頭天王と蘇民将来のおはなし』(PDF) ↳ 岩手県 様 『牛頭信仰と密教的要素』(PDF) ↳ J-STAGE 様
祇園社の創祀は十世紀初頭または早くとも九世紀末であったと考えられるが、延喜二十年(九二〇)閏六月、この年の春夏に流行した咳病を除くため幣帛・走馬を「祇園」に奉じたのが、確かな史料による初見である。(中略)そして、承平五年(九三五)六月に太政官符をもって観慶寺は定額寺に列せられた。その観慶寺は、薬師三像を安置する本堂・礼堂と、天神・婆利女・八王子を祀る神殿・礼堂との、二つの堂舎群から成り立っていたが、後者の堂舎群は「祇園」とか「祇園天神堂」と称され、観慶寺の子院という意味では「感神院」の号で呼ばれることもあった。さらに祇園天神への信仰が高まるに従い、観慶寺そのものを「祗園寺」と通称することさえあった。天慶元年(九三八)七月、地震いまだ止まざるにより、諸寺社に仁王経を転読させたが、その寺社に「感神院」が加えられ、ついに公的祭祀の対象寺社になったのである。
引用:中井真孝. “祗園社の創祀と牛頭天王”. 佛教大学. https://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/OS/0019/OS00190R121.pdf
関連社寺外部リンク
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