概略
神号:八幡菩薩
Name:Hachiman-bosatsu
別称:護国霊験威力神通大自在王菩薩、八幡神、八幡大神、八幡権現、聖真子権現、八幡明神
A.k.a:Gokoku-reigen-iryoku-jintsū-daijizaiō-bosatsu, Hachiman-shin, Hachiman-ōkami, Hachiman-gongen, Shojinshi-dongen, Hachiman-myōjin
霊場:宇佐八幡宮(豊前国)、男山 石清水八幡宮(山城国)、誉田(河内国)、筥崎宮寺(筑前国)、鶴岡八幡宮寺(相模国)
Holy Place:Usa(Buzen)/ Mt. Otoko(Yamashiro)/ Honda(Kawachi),
Hakozaki(Chikuzen)/ Tsurugaoka(Sagami)
別当:弥勒寺(宇佐)、護国寺(石清水八幡宮)、長野山 護国寺(誉田)、大奥山 五智輪院 弥勒寺(箱崎)、鶴岡神宮寺(鎌倉)
Admin of a Buddhist Temple:Miroku-ji(Buzen)/ Gokoku-ji(Yamashiro)/ Miroku-ji(Hakozaki) / Tsurugaoka-Jingu-ji(Kamakura)
祭神:誉田別命(応神天皇)、八幡三神(八幡神、神功皇后、比売神)
Provisional Shinto Deity:Hondawake-no-mikoto, Hachiman-sanjin
本地:釈迦如来、阿弥陀如来、愛染明王 など
Original Buddhist Divinity:Syaka-nyorai, Amida-nyorai, Aizen-Myōō
神使:鳩
Messenger of the kami:Dove
八幡信仰を権威づけたのは次にあげる二つの出来事による。一つには八幡社が天平三年(731)に官幣に預かったことであり、もう一つは、天平十九年(747)に朝廷が宇佐に使者を遣わし、八幡神に大仏造立成就を祈願したところ、「神呉、天神地祇を率しいざなひて、成し奉つて事立て有らず。銅の湯を水と成すがごとくならん。我が身を草木土に交へて、障へる事無く成さん」という大仏造立協力の託宣を発したことである。これらの出来事で、地方神であった八幡神は中央に進出する絶好の機会を得たのである。時代が少し降って、貞観元年(859)、藤原良房の意向により、奈良大安寺の僧行教が八幡神の託宣を受け、京都石清水男山に石清水八幡宮が創設された。平安後期には前九年の役(1051-1062)の折、源頼義が石清水八幡宮に祈願して東北に赴いたが、平定後、康平六年(1063)、頼義は鎌倉の由比郷に石清水の八幡菩薩を勧請した。後に、頼朝が由比郷から小林郷へ八幡宮を遷し「鶴岡八幡新宮若宮」と呼んだが、建久二年(1192)には社殿が大火に見舞われたため、頼朝は改めて石清水から八幡菩薩を勧請し現在の鶴岡八幡宮を創設したのである。
引用:大山眞一. ”武門源氏の思想と信仰“. 日本大学大学院. https://gssc.dld.nihon-u.ac.jp/wp-content/uploads/journal/pdf13/13-073-084-Oyama.pdf
参考外部リンク
『宇佐神宮』 ↳ 本地垂迹資料便覧 様 『石清水八幡宮』 ↳ 本地垂迹資料便覧 様 『鶴岡八幡宮』 ↳ 本地垂迹資料便覧 様 『山城石清水八幡宮』 ↳ がらくた置場 様 『鶴岡八幡宮』 ↳ 鎌倉タイム 様 『鶴岡八幡宮寺供僧次第』 ↳ 国立公文書館デジタルアーカイブ 様 『宇佐神宮の歴史と現在』(PDF) ↳ J-STAGE 様 『宇佐ハ幡はなぜ天皇家の祖廟か』(PDF) ↳ 別府大学 様 『八幡大菩薩の登場の歴史的背景』(PDF) ↳ 別府大学 様 『八幡大菩薩御影説話をめぐって』(PDF) ↳ 駒沢大学 様 『武門源氏の思想と信仰』(PDF) ↳ 駒沢大学 様 『八幡神をめぐる一考察』(PDF) ↳ 隆学林専門学校 様 『八幡宇佐宮御託宣集における「幽玄」の論理』(PDF) ↳ InfoLib 様 『明治維新 八幡大菩薩と廃仏毀釈』(PDF) ↳ 横浜歴史研究会 様 『鶴岡八幡宮別当頼仲と二人の弟子について』(PDF) ↳ 駒澤大学 様 『鶴岡八幡宮における供僧の成立と役割』(PDF) ↳ 法政大学 様 『鎌倉大仏縁起』(PDF) ↳ 高徳院 様 『鎌倉大仏史研究』(PDF) ↳ 高徳院 様 『中世八幡宮寺領一覧稿』(PDF) ↳ 早稲田大学 様 『新編鎌倉志 8巻【全号まとめ】』 ↳ 国会図書館デジタルコレクション 様 『華頂阿弥陀堂丈六尊縁由』(PDF) ↳ 佛教大学 様
鎌倉大仏の造営を企画し推進したのは誰なのかは重要な問題であり、現在のところ僧浄光の勧進によるとしながらも、実際には幕府あるいは北条氏に主体性があり、支援があったことは、大方が認めるところである。[中略]さらに鎌倉大仏が阿弥陀如来像である意味についての文書『大仏旨趣』が高橋秀栄によって紹介された。この史料には年紀や筆者は記されていないが、鎌倉時代に書写された木造大仏に関する、表白、説草の手控えに類する一史料とみなされ、願主聖人(浄光か)が八幡宮(鶴岡八幡宮)の社壇において、八幡大菩薩の夢告により発願し、八幡神の本地である阿弥陀如来を造立したとしている。『吾妻鏡』他にも記されていない記述で、鎌倉大仏創建には、仏教とともに神への信仰があり、鎌倉幕府が政治のよりどころとして、また鎌倉の守護を託して武神の八幡大菩薩すなわち八幡神の本地である阿弥陀如来像を造立したことを示唆している。ただし、八幡神の本地として阿弥陀如来像を造立した他の例は、寡聞にして知らない。
引用: “高徳院国宝銅造阿弥陀如来坐像 平成 27 年度保存修理報告書 – 高徳院国宝銅造阿弥陀如来坐像の沿革”. 高徳院. https://kotoku-in.jp/pdf/amidanyoraizazou_preservation-repair-report.pdf
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